約 5,242,597 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2218.html
注意書き 虐待お兄さんが行方不明になります ゆっくりが普通のゆっくりとは違います 以上 日が沈みかけ、薄暗くなってきた山の中にゆっくり達の悲鳴が木霊していた。 「もうやだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!だずげでえええええええええええええええええええええ!!!!」 「おねがいだがらもうやべでくだざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 叫び声をあげるゆっくり達の中には一人の男が居た。 麓の村に住んでいた男だが、男は己のことを『虐待お兄さん』と名乗っていた。 趣味はゆっくりを虐待し、殺すこと。 だから男は今この上ない幸福を感じていた。 何故なら、ゆっくりを己の手で痛めつけて殺しているからだ。 無様に喚き、悲鳴を上げ、何もできずに死んでいくゆっくりが男は好きだった。 正確には、ゆっくりを殺す事が男は好きだった。 右腕で殴り、左腕で投げ、右足で踏み、左足で蹴る。 己の四肢を振るうだけでゆっくりは死んでいく。そんなにもゆっくりは脆かった。 中にはもちろん抵抗するゆっくりも居たが、人間に敵うわけがなく男に殺されていった。 「おちびちゃんたちはいそいで逃げてね!! まりさが囮になるからね!!」 「まりさごめんね…… 急いで口の中に入ってね!! ゆっくりしないで逃げるよ!!」 「みゃみゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 家族を逃すため囮になろうとしたまりさは掴まれ、逃げようとしたれいむにぶつけられた。 口の中に居た子ゆっくりは潰れ、親のまりさとれいむももう動かなかった。 「人間なんかれいむ達の敵じゃないよ!!!! ゆっくり死んでね!!!!!」 「「「「「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」」」」」 仲間と一緒に体当たりを仕掛けてきたゆっくりは、一匹残らず殺された。 ただ潰されたゆっくりは幸せだっただろう。数匹のゆっくりは底面の皮を破くだけで男は済ました。 動けば中身がこぼれて死ぬ。動かなくても徐々に中身がこぼれていって死んでしまう。 迫り来る死という恐怖に泣き叫ぶゆっくりの姿は相変わらず滑稽で、男の顔は笑っていた。 普通の人間であるならば、これだけの悲鳴を聞いていれば発狂するだろう。 しかし、男は『虐待お兄さん』である。今この場で感じているのは愉悦だけだ。 逃げるゆっくりも立ち向かうゆっくりも、どんどん男に殺されていく。 そして、最後に残った一匹のゆっくり。成体のゆっくりれいむが震えていた。 逃げようとしても、立ち向かっても男に殺されるのはもう分かりきっているのだろう。 どんな風に虐待しようか『虐待お兄さん』の男が考えていると、ある事を思いついた。 やわらかいゆっくりの体を持ち上げて、両手でゆっくりの頭頂部を男は掴む。 「な、なにするの!! ゆっくり離してね!!」 喚くゆっくりを無視して男は手に力を込め、真っ二つに引き千切ろうとした。 「おにいざんやべでね!! 痛いからはなじでね!!」 男がゆっくりの願いなど叶えてやるわけがなく、弾力のある皮はどんどん伸びていく。 「やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じにだぐないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 そんな風に叫びながら、れいむは千切られた。 男の手にはちょうど半分に分かれたれいむがあり、片方は投げ捨てもう一つは持ち帰る事にした。家へ帰ってから食べるつもりである。 周囲を見渡してもゆっくりはもういないようなので、男は山を降りる事にした。 ゆっくりを追いかけてどんどん奥まできてしまい、帰るのが面倒だと男は思った。 男が去ってから少し経つと、一匹のゆっくりの残骸が震え始めた。 いや、一匹だけではない。見ればどのゆっくりの残骸も震えていた。 やがて一匹のまりさの残骸から腕が生え出して、徐々に元の丸い形に戻り始めた。 何秒も待たずにまりさは元の姿に戻り、辺りを見回してから息を吐いた。 「さて、今日もお疲れ様なんだぜ」 「お疲れ〜」 「一人だけだったね」 「でもこんなことよくやるよ」 「他の人間さんは忙しそうなのにねぇ」 まりさの声に反応して元の姿に戻ったゆっくり達は好き勝手に話を始めたが、男に残骸を撒き散らされてしまったゆっくりはまだ戻れていなかった。 「じゃ、いつもみたく先に元の姿に戻れたやつはまだ戻れてない奴の手助けをしてほしいんだぜ。戻れてない奴はどんどん助けを近くの奴に求めるんだぜ」 手を叩きながらまりさは指示を飛ばす。どのゆっくりも文句の一つも言わず指示通り動き始めた。 「あと数合わせで分裂した奴もちゃんと元に戻すんだぜ」 「しょうだよ!! もどらなかったらみんなこんな風に自我をもっちゃうよ!!」 まりさの言葉に続くように一匹の小さなれいむがまりさの隣でふよふよ浮きながら言った。 「お前さんも手伝ってくるんだぜ」 「みゅ〜… 面倒だよぉ…」 「そんな事は通用しないんだぜ」 「わかってりゅよ!!」 小さなれいむはふよふよと飛んでいく。その姿を見送ってからまりさもふよふよ浮き始める。 元の姿に戻ろうとしている仲間の残骸を集める作業に入るのだ。 残骸を集めるのは実に大変である。 ある程度の距離ならば勝手に残骸と残骸が勝手にくっ付いて元の姿に戻ろうとするのだが、撒き散らされてしまってはくっ付くことはできない。 放っておいても一番多く集まった残骸が中途半端に復元され、時間を置けば徐々に修復される。 しかし、この群れはもうあの『虐待お兄さん』に潰されてしまった群れなのだ。 それなのにこの場に留まっていてしまっては、流石に人間にだって怪しまれてしまう。 ゆっくりはあくまで『愚鈍で馬鹿で意地汚い動く饅頭』でなければならない。この秘密を人間に知られない為にも、今は一刻も早くこの山から離れなければならないのだ。 「困りました……」 まりさが仲間の残骸を集めていると、半分だけのれいむが俯いて浮いていた。 『虐待お兄さん』に最後真っ二つにされ、片方を持っていかれてしまったれいむだ。 「まあ、お前さんは仕方ないんだぜ。どうせ少ししたら元に戻れんだから人間に見られないように移動するしかないんだぜ」 食べられたりすれば適当に復活できるゆっくりではあるが、流石に中途半端に食べられてはそれも無理である。 このれいむは自然に修復されるまで待つしかないのだろう。 だが、れいむの返事は違った。 「いえ、別に元の姿に戻れないの事で困ってるんじゃないんです」 「? どういうことなんだぜ?」 「実は……」 山を順調に下っていた男は一つの違和感に気づいた。 最初は気のせいだと思っていたのだが、どうやら気のせいではないらしい。 右手に持っていたゆっくりれいむの半身がもぞもぞ動き出していたのだ。 不思議に思いながらゆっくりを顔の前まで持ってくると、断面から餡子がこぼれなくなっていた。 断面の方を見てみると餡子がこぼれない理由が分かった。餡子が消えていたのだ。 ゆっくりの中身である筈の餡子は見事に無くなり、断面には何もない空間が広がっていた。。 最初は餡子がこぼれて皮だけになったと思ったのだが、どうやら違うようである。 男が手を突っ込んでみると、男の腕はそのまま入ってしまったからだ。 いくら成体のゆっくりとは半分に切り取ったゆっくりの体はそこまで大きくない。 恐る恐る男は己の顔をゆっくりの断面に入れてみる。すると、男はゆっくりの中に吸い込まれていくのが分かった。 慌てて顔を皮から出そうにも既に手遅れで、男は顔から下も全て吸いこまれてしまった。 後には何も残らず、残ったゆっくりの皮はふよふよ浮いて男が下っていた山道を再び登り始めた。 「つまり、引き千切られた半分の方も復活してしまいどうやらあの男を飲み込んでしまったみたいなんです……」 「はぁ……」 れいむの説明を聞いていたまりさは溜息を吐いた。 今の話はおそらく本当の事で、間違いなく先ほどの『虐待お兄さん』は吸い込まれてしまったのだろう。 「全く、運の悪い人間さんだぜ……」 そう言いながらまりさは頭の裏を掻く。 人がいなくなったと分かれば人間は間違いなく山狩りをするだろう、そう考えてまりさは再び指示を出す。。 「れいむの半身がこっちに来たら出発するんだぜ。その前に各自修復するんだぜ!!」 ゆっくり達は再び作業を再開する。 今優先することは急いでこの場を離れ移動することだ。下手したら人間に見つかってまた潰されるかもしれないからだ。 流石に二日連続で潰されるのは嫌だからか、修復速度もどんどん上がってきている。 まりさも仲間の残骸を集め始めてから、再び溜息を吐いた。 「人間さんがゆっくりって名付けた癖に、ゆっくりがゆっくりできる日は来るのかだぜ……」 ま、ここじゃ無理かとまりさは思った。 終 by大貫さん ↓は後書きと感想フォームへの返事です。読みたくない方はこのまま戻ってください こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! 本当は膿と膿以降人間を酷い目にあわす話は書くつもりはありませんでした。 ただ、あるれいむのAAを見て (これ、誰か吸い込まれたら面白そうだなぁ…)って思ったので書いてみました。 感想フォームに感想下さった方、本当にありがとうございます。 (名無しさん) 2008-11-10 15 16 03 後書きに対してのご忠告、本当にありがとうございます。 自分が作者様をおちょくるつもりはありませんでした。ただ、一言断っておいた方がいいかも…… と思っただけなのです。 本当にすいませんでした。 (名無しさん) 2008-11-19 13 43 03 読んで下さりありがとうございます。 タイトルを見れば分かるように、ゆっくりの中の膿と人間の中の膿を比較するために書いた作品です。 ですが、この作中に出てきた虐待お兄さんも他の人が書かれれば立派殺される事もなかったと思います。 (名無しさん) 2008-12-05 17 30 26 確かに原作の靈夢と魔理沙ならばふぅ〜んとかへぇ〜で済ましそうですね…… 反省です。 本当は最初は霖之助の視点で書くつもりだったんですが、霖之助というキャラは本当に扱い難いキャラだったので諦めさせてもらいました。申し訳ありません。 あと、最後に色々書いてくださいと言ってくださり本当にありがとうございます。 虐待スレという場で、ぬるいじめでも良いと言ってくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございます。 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。お目汚し失礼!! 書いた作品一覧 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 ゆっくりいじめ系900 膿と膿 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ251 飼われているゆっくり 野良のゆっくり
https://w.atwiki.jp/piggest/pages/12.html
自由に編集できるここみたいな場所の事です。 wikipediaとか有名ですね なんかいいのがあれば教えてください wikiの派閥 @Wiki
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2332.html
「お兄さん、れいむたちをおうちに入れてね!」 「おうちにいれてくれないとゆっくりできなくなるよ!」 玄関の戸をボフンボフンと叩く音がすると思ったら2匹のゆっくりがいた。 成体サイズのれいむとまりさだ。 いきなりやってきて、人様の家に入れろとは馬鹿馬鹿しい。 当然、戸を閉めて鍵をかけようとした。 「まってねお兄さん!れいむのかわいそ話を聞いてね!」 「聞いてくれないとゆっくりできなくなるよ!」 〔ゆっくりかわいそ話〕 れいむとまりさは、秋に群れを巣立ち新しい巣穴でゆっくりと冬を越えるつもりだった。 しかしある晩、夜風にあたっていたら寒くなったところ、れいむとまりさは「す~りす~り♪」とお互いを暖め そして気がついたられいむの頭には茎が1本生えていた。 冬越え直前に子供を産むことは一家心中を意味する。 だから、れいむとまりさは相談し実を一個だけ残して後は産まれる前に処分する事にした。 初めての赤ちゃんをどうしても全て処分する気にはなれず、それがギリギリの妥協だった。 それから減った分の餡子を補うために冬越え用のごはんを「むーしゃ♪むーしゃ♪」して それを見ていたまりさも赤れいむも羨ましくなって、お腹いっぱいになるまで食べた。 一度お腹いっぱい食べると、次もお腹いっぱい食べたくなってしまうのが人情・・・それから毎日おなか一杯になるまで食べて とうとう食べつくしてしまった。 自業自得じゃねーかアホか。 やっぱり戸を閉めようとした。 「ゆっくちちていっちぇね!」 まりさの帽子のすそからピョコッと赤ちゃんれいむが顔を覗かせる。 ああ、こいつが今の話に出た生き残った赤ゆっくりか。小汚いな。 相変わらず冷めた目で眺めていたら、れいむが鼻息をフンッと噴出し勝ち誇った顔をしてふんぞり返っていた。 それに気がついたまりさも一緒になってふんぞり返る。 「かわいいかわいいれいむの赤ちゃんだよ!お兄さんいきててよかったね、すごくゆっくりできるでしょ!」 「ゆっへん!」 「ゆっくちちていっちぇね!」 親ゆっくりにとって赤ゆは、とってもゆっくりできる存在だ 自分がゆっくりできるのだから、きっと他の誰が見てもゆっくりできるよね! そういう理屈が成り立つのが餡子脳である。 ピキピキッ! こめかみの辺りで確かにそんな感触がした。 よし、締め出すのはやめだ。そんなに俺の家に入りたければ入れてやろうじゃないの。 ヒョイッと赤れいむを摘み上げる。 「ゆっ!おしょらをとんでるみちゃい!」 「あー!なにするのぉお!れいむのあかちゃんをかえしてね!」 「あかちゃんをはなさないと実力行使するよ!まりさはお兄さんよりいっぱいつよいんだぜ!」 足に力いっぱい体当たりを仕掛けてくるまりさと涙目になってオロオロと慌てふためくれいむを無視して 玄関の奥へと赤れいむをぶら下げていく。 そして、黒電話の隣にある空っぽの水槽に赤れいむを落とした。 「みゅ!」 この水槽で以前、熱帯魚を飼っていたが、一緒にアメリカザリガニを入れたところ不要になってしまった。 水槽だってタダではないので捨てずに洗って置いておいたが、透明の箱の代用として十分再利用できる。 「れいむの赤ちゃんがいたがってるよ!ゆっくりやめてあげてね!」 「どうだ!まいったか!降参するならいまのうちだよ!」ぽよんぽよん! 水槽を地面に降ろして開いている天井部分を、れいむとまりさの正面に来るように横向きに倒す。 ころころと中で転がる赤ちゃんに2匹とも駆け寄ってきた。 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!いたいとこない?ぺーろぺーろ!」 「ゆっ、ようやくかんねんしたね!赤ちゃんは返してもらうよ!ゆゆ~ん、とってもかわいいあかちゃんだよ!」 2匹とも仲良く水槽に入ったところでゴロンッと元の向きに戻す。 「「ゆっ!」」 捕獲完了。 成体ともなれば、ちょっとした鉄アレイ並に重量がある。 左右に1匹づつ持って歩くよりも自分から入ってくれて大助かりだ。 「おちびちゃん、ぺーろぺーろ!いたいのいたいのとんでいけー!」 「すーりすーり、まりさの赤ちゃんとりかえしたよ!とってもかわいいよ!」 「ゆんゆん、おかーしゃんくちゅぐっちゃいよ!」 すっかり俺の存在を忘れて体をすり合せたり舌で舐めあったりしてグルーミングをしている。 天井部分のフタを閉めたところで影ができ、ようやくこちらに気がついた。 「ゆっ、ジジイはまだいたの?ここはれいむたちのおうちだよ!ゆっくりできないジジイはでていってね!」 「ゆっふっふ、ジジイはバカだね!おうちをまんまととられた上に人質のおちびちゃんまで取り返されて、もう打つ手がないね!」 「ばかなじじいはでちぇいっちぇね!」 プクーっと風船の様に膨らんで威嚇するれいむ。 赤れいむもそれを真似してほほだけちょっぴり膨らんでいる。 まりさは、自分の力に俺が屈したのだと得意げになり眉をひそめながら侮蔑な視線を向けていた。 「おー、こわいこわい、それじゃあお前らはその自分の家でゆっくりしていってね!」 「プンプン、ここはれいむのおうちなんだからあたりまえでしょ!」 「きっと、あたまがかわいそうなんだぜ!」 そのまま水槽を放置し目と鼻の先の居間でソファーに腰をかける。 しばらくすると、「ゆっゆっゆっ~♪」と雑音が聞こえてきた。 きっとれいむが赤ゆに歌を聞かせているんだろう。 しばらくするとその雑音にまりさの声も混ざり、それから赤れいむの「ゆぅ♪ゆっ♪」と舌っ足らずのワンテンポ遅れた声と合わせて 合唱となった。 「ゆっゆっっくり~♪」「ゆっくりぃ~♪」「ゆぅ♪ゆぅ♪」 ー数時間後ー 「おかーしゃん、れいみゅゆっくちおにゃかすいたよ!」 「ゆっ、そうだねおかーさんもお腹すいたしそろそろごはんにしようね!まりさ、ごはんをもってきてね!」 「それじゃ虫さんでもとってくるね!ここはきったなそうだから虫さんくらいいそうだよ!」 お腹をすかせて表情が曇っている赤ゆにほっぺたをすり合わせて慰めるれいむ。 そんなゆっくりした家族を養うべく、まりさはさっそうと透明な内壁めがけて跳んだ。 「ゆべぇ!」 見えない壁に阻まれて弾き返されグラグラと水槽が揺れる。 「いちゃいぃいい!おそとにでれないよぉぉお!」 「なにいってるのまりさ!何もないのにでれなくなるわけないでしょ!」 れいむがまりさの出ようとした方向へ進むと 「ゆっ?」 確かに見えない壁のような物がある事がわかった。 今度はまりさとれいむで別々の方向へ出口がないか壁面に沿って探す。 地面に沿って自分の足で入ってきたのだから当然その入り口があるはずだ。 入り口は出口になる。これはゆっくりでも理解できる真理だ。 赤れいむは親達が何をしているのかわからず、「ゆぅ~?」っと小首を傾げている。 一方親達は水槽の内側を一周したのにもかかわらず、それらしき出口が見つからない。 だんだん焦りの色が濃くなり、そしてとうとう喚きだした。 「どぼじででぐちがなくなってるのぉぉおお!」 「かべさんいじわるしないでねぇえええ!」 「ゆ・・・ゆぅ・・・ゆわぁぁあああん!」 「やあ、ゆっくりしてるかい?」 そろそろ頃合かなと、ゆっくりどもの様子を見に来てみた。 片手には食べかけのシュークリームを持っている。 「ゆゆっ!じじい!ここはれいむのおうちだよ!まだいたの!?」 「じじいのせいでお外にでれなくなったでしょぉぉお!なんとかしてよねぇええ!」 「ゆわぁぁあああん!ゆわぁぁぁああん!」 「まあ、そういわれてもだな・・・もぐもぐ、そこはお前らの家なわけだし・・・もぐもぐ 自分たちで何とかしないといけないんじゃないかね・・・もぐもぐ」 ゆっくりどもが腹を減らしてるだろうことを見越して、わざと見えるようにシュークリームを口へ運ぶ。 もぐもぐと声に出して言うことでアピール全開だ。 「じじい!なにたべてるのぉ!れいむたちはお腹をすかせてるんだよ!」 「それをこっちによこしてねぇええ!いまなら半殺しでゆるしてあげるよぉお!」 「ゆっぐ・・・ゆっぐ・・・おにゃかすいちゃよぉ」 「ああ、これ?食べたいの?どうしよっかなー♪ 一口くらいあげよぉっかなぁ?」 一かけら程しか残っていないシュークリームを水槽の上部のフタを開けて ゆっくりがジャンプすれば届くか届かないかくらいの距離を保って見せ付ける。 カスタードクリームの香りがれいむとまりさの鼻をつき、それがとっても甘くてゆっくりできるものである事がわかった。 「ゆっくりよこせぇええええ!」 「まりさのだよ!ここはまりさのおうちなんだから、ここにあるのはまりさのだよ!」 「ゆっ!ゆっ!」 毎日お腹一杯たべていたゆっくりにとって、空腹は我を忘れさせるのに十分だった。 れいむもまりさも水槽の中でギリギリで届かないシュークリームに向かってぴょんぴょんと懸命に飛び跳ね 赤れいむもピコピコと真上にある甘そうなお菓子に夢中でお口をあけて目をキラキラと輝かせている。 「ほーら、まりさのお口にシュークリームはいっちゃうぞぉ、コイツ全部ひとりでくっちまうつもりだぞぉ!」 スィーっと指につまんだシュークリームの欠片がまりさの口元をかすめる。 まりさが口に収めようと懸命に飛びかかってきたところで、ヒョイッとかわす。 れいむはまりさが自分の分まで食べようとしていると焦り気が気ではない。 目をギョロっとみひらいて涎を飛ばしている。 「おっと、こんどはれいむの方へいくぞぉ」 まりさの口をかすめた時よりも若干低空にして指の動きを止める。 「れいむのだよ!なかのクリームから薄皮の一枚までぜんぶれいむのだよ!」 ピョ~ンっと飛び上がった姿はまるで、釣り上げた魚の様にピチピチとしている。 彼女の言葉通り、クリームも皮も一口ですべてれいむの口の中に消えた。 「どぼじでまりざのシューシューぜんぶたべちゃうのぉおおお!」 「ゆぅえぇ~ん!れいみゅのごはんたべりゃれちゃったよぉ!おかーしゃんがぜんぶたべちゃったぁ!」 「ゆっ!れいむじゃないよ!れいむはたべてないよ!虫さんだよ!この家は虫さんがおおいっていってたよ!」 2匹の様子に我を取り戻したれいむだが、必死に出た言い訳がこれだった。 一同しばらく沈黙し、それからまりさはれいむから距離を置いて 赤れいむもまりさの傍らでゆっくりとした。 時折、親れいむに憎しみの視線を送ってはブツブツとなにか呟いている。 食べ物の恨みは恐ろしいというが、ゆっくりの世界では人間のそれよりも重罪なのだ。 れいむがまりさと赤れいむの方へ寄っていくと そそくさと、まりさも赤れいむもその反対側へ逃げていく。 こんな事を数分の間くりかえした。 「ゆぅ・・・」 れいむは気まずくなって、俺のほうへ話しかけてきた。 「おにーさん、れいむたちをここからだしてください。れいむたちがなにか悪いことをしたのなら謝ります」 「ん?なんだ急に」 家に入った時とはうってかわって、姿勢を低くしている。 ひょっとしてゆっくりの土下座だろうか。 「ここにいると、かぞくみんなでゆっくりできません いっしょうのお願いなので、どうかゆるしてください。」 「一生のお願い?」 「いっしょうのお願いです。れいむたちをお外に出してください。」 子供のころによく”一生のお願い”とかいって親を困らせたものだが そういう概念がゆっくりにもあったらしい。 最初の悪態はどこふく風、すっかりしおらしくなったれいむに、どうしたものかとしばし考えた。 「うん、じゃあまりさ、お前の一生のお願いを言ってみな 一つだけ願いを叶えてあげよう。」 れいむは、なんでまりさなんだろうとわからなかったが 結局は同じだろうと思った。 れいむとまりさの仲が気まづくなったのは、このゆっくりできない空間のせいで ついこの間まで仲良く巣で暮らしていたのだ。 まりさだって、まず第一にここから出たいに決まっている。 お外に出れたら、この人間の食べ物を全部奪って巣にもってかえってやろう。 そうすれば、また家族みんなでゆっくりできる。 「まりさはおかしがほしいよ!シューシューが食べたいよ!」 「ゆ”ゆ”!?」 れいむにとって意外な答えだったが、俺としては予想どおりだ。 「ちがうでしょぉおお!おそとにでないとだめでしょぉおお!」 そんな叫びを無視して、俺のほうへ向き直りシュークリームを食べさせてもらえる期待のお目めを輝かせていた。 「よしきた、いま作ってやるから待ってろよ!」 あらかじめ用意していたゴム手袋を両手にはめると 腰に釣っているポーチから”ゆっくりアリスの精子餡”と書かれているチューブを取り出す。 まず手のひらにニュッと白い餡を搾り出して 今度はそれを両の手の平で全体に伸ばすように馴染ませる。 次に、よく白餡を馴染ませた手のひらでまりさののほほを優しくなでてあげる。 「ゆっ♪あったかくてきもちいいよ♪」 それから、弧を描くようにしてさすり徐々に振動を加えながら 力任せにゴシゴシとこする。 「おにーさん、ちょっと痛いよ!」 「これもシュークリームを作るためだ!我慢しろ!」 お兄さんの腕が腱鞘炎になりかけた頃 しだいにチューブの白餡よりも、まりさの粘着質な体液が放出されてきた。 「ゆほぉぉお、なんだかとってもゆっくりしてきたよ!」 目がトロンとして、口元から涎を流しながらヒクヒクとしている。 こうなれば、あと少しだ。 「すっきりぃいいい!」 まりさの帽子の隙間から茎がニョキニョキと生えて、すぐに小さな実をつける。 この白餡には成長促進剤も含まれているため植物型の出産なら通常の何百倍も早く赤ちゃんが産まれる。 実はすでに5個のアリス種と3個のまりさ種という具合に識別できるほどになっていた。 素早く、アリス種が覚醒する前にもいでやってまりさの目の前に転がしてやった。 「ほ~ら、ミニシューシューでちゅよぉ」 アリス種の中身はカスタードクリームなので、皮が薄い赤ゆのうちは シュークリームの食感によく似ているのだ。 「ゆっ、おいしそうなシュークリームだよ!おちびちゃんもいっしょに食べようね!」 「ゆっくち!むっちゃむっちゃ、ちあわちぇ~♪」 まりさがアリスの実4個と赤れいむがアリスの実1個の取り分となり仲良く食事にした。 人間の味覚からしても赤ゆの味は高級洋菓子に匹敵する。 きっと俺が食べていたコンビニで100円のシュークリームよりも美味しいだろう。 製造工程を見てしまうと食べる気がしないが・・・。 一部始終をみていたれいむはガタガタと震えていた。 まだ、まりさの頭上には3個のまりさ種の実がついているが、こっちはそのままにしておいた。 そのうち産まれ落ちるんだろうな。 「お、おにいさん・・・おねがいです、れいむをそとにだしてください・・・いっしょうのおねがいです」 青ざめて震えているれいむ。 「そうだな、まりさの一生のお願いを聞いてあげて、れいむの一生のお願いを聞いてあげないわけにはいかないよね。 よし、お外にだしてあげよう!」 よっこらせ!っと 水槽を抱えて持ち上げると、よろよろと持ち歩き ベランダの窓を足で開けた。 「そら、お外だぞ!ゆっくり冬越えしていってね!」 ピューっとベランダに冷たい風が吹く。 「ゆゆっ!ちがうでしょぉおお!このままお外にだされてもだめでしょ!」 「あ、え?水槽から出してって意味ね? な~んだ、ハッキリ言ってくれないとわからないってば! じゃあ来世ではちゃんと、そう言ってよね。一生のお願いはもう使い切ったわけだし♪」 ゆがーん! おまけ 〔ゆっくりれいむとまりさ一家の冬越え編〕 ベランダに出されてから最初の夜を迎えようとしていた。 水槽のおかげで始めこそ寒さが遮られ保温されていたが、いまではすっかり外気と同じ温度になっている。 食事は、お兄さんが夕食を作るためにでたジャガイモの皮とキャベツの芯。 「おかーしゃんしゃむいよぉおお!」 「おちびちゃんゆっくりがまんしてね、すーりすーりしてれば暖かいからね!」 まりさと赤れいむは、ほおずりをして少しでも寒さから逃れようとした。 「れいむもおちびちゃんとすーりすーりさせてね」と近づいてきたが れいむはあっちに行ってね!れいむのせいで寒い思いをしているんだよ!と追い返されてしまった。 赤れいむも 「ゆっくちできにゃばかなおかーしゃんはゆっくちちんでね!いいきみだよ!」と言い放つ始末である。 まりさの頭上で赤まりさの実がゆらゆらと揺れて、産まれ落ちようとしていた。 赤れいむは、さっきのシュークリームがまりさの頭上の実である事を見ていたので また、あまあまが食べられるよ!とお目めをキラキラさせながら、いまかいまかと待ち望んでいた。 そして、とうとう1匹目の赤まりさ落ちる。 本来なら、地面にやわらかい葉っぱを敷き詰めて備えるが、ここは底面もガラス張りだ。 「ゆっ、ゆっくち~♪」 べちゃ 「・・・ゆ・・・もっとゆっくち・・・ちたかっちゃ・・・」 人工的に生産された赤ゆは早産のため普通の赤ゆよりも皮が柔らかい それに加えて硬い地面に叩きつけられた赤ゆは、あっさりと餡子をぶちまけて短い生涯に幕を閉じた。 「ゆっ!まりさの赤ちゃん・・・」 餡子の上にはまりさ種特有のお帽子が乗っている。 続けて、2匹目3匹目が同時にそこへ落下してきた。 幸いにも、1匹目の屍骸とお帽子がクッションとなり潰れることなく産まれた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆっくぃゆっくぃ!」 2匹とも、ゆっくりとしたお帽子を被っているまりさの子供だ。 「ゆ~ん、まりさのあかちゃん・・・まりさと一緒でとってもゆっくりしてるよ!」 れいむとの間に作った最初の赤ちゃんはれいむ種1匹だけ残して後はすべて間引いてしまった。 だからこれが初めての同種の赤ちゃんとのご対面だ。 れいむの赤ちゃんの時よりもはるかにゆっくりできた。 そこへ、もぞもぞとシュークリームが産まれてくるのを待っていた赤れいむが 2匹の赤まりさの足元の餡子を舐め取っている。 「あ~ま♪あ~ま♪ちあわちぇー!」 餡子の上にはまりさ種の帽子が乗っているため、それがまりさの赤ちゃんの餡子であることはまりさにもすぐに理解できた。 元はといえばれいむのせいで、今こんな目に合っている。 自分の赤ちゃんを食べて空腹を満たそうとしている赤れいむ。 急に憎たらしく見えてきてムカムカと腹が立ってきた。 「れいむの赤ちゃんはゆっくりしないであっちへいってね!」 「ゆぴゃ!」 まりさに体当たりをされて、親れいむの方へところころと転がっていく。 「ゆっ?ゆゆ?」 さっきまで優しかった親まりさがなんで自分にそんな事をするのか赤れいむにはわからなかった。 キッとこちらを睨み付けてきて、駆け寄っていったらまた突き飛ばされそう。 だから、おずおずと側にいる親れいむの方を見た。 親れいむは視線を合わせない。 自分に向かって死ねとか言ってくる子はもう可愛くはなかった。 赤れいむは、この狭い水槽の中で一人ぼっちになった。 両親から嫌われている赤れいむは、赤まりさ達がもう少し大きくなれば虐めの対象になることであろう。 翌日、親まりさは固い野菜の芯を赤まりさのために柔らかく噛み砕いてあげて食べさせた。 甘いものを食べたことがない赤まりさは、美味しくない餌でも口移しで食べさせてもらえるごはんを喜んで食べた。 親れいむは赤れいむを無視してバリボリとまりさも食べない味のない屑皮をかじる。 赤れいむは食べられるものがないので、まりさ達か親れいむがうんうんをするのをジッと待った。 まりさからもれいむからも苛められて育つ赤れいむは将来どんな一生のお願いをしてくれるんだろう。 きっと、自分だけゆっくりさせてくれとかだろうな。 そうしたら水槽を家の中に入れて、この赤れいむだけを可愛がってみせてやるか。 ゆっくり一家の冬越えはまだ始まったばかりだ・・・。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 ゆっくりいじめ系1993 加工場産の赤ゆっくりを育てる 前編 ゆっくりいじめ系1994 加工場産の赤ゆっくりを育てる 中編 ゆっくりいじめ系2110 加工場産の赤ゆっくりを育てる 後編1 ゆっくりいじめ系2111 ゆっくり二世帯住宅 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/463.html
小ねたっぽいゆっくりいじめ 季節は巡り、幻想郷は今厳しい冬を乗り越え春を迎えようとしていた。 人里近い森の中を1匹のゆっくりまりさが飛び跳ねている。寒さも和らぎ、 冬篭りを終えたことでとても嬉しそうな顔だ。 突然、ゆっくりまりさの体がふわりと宙に浮く。 「ゆゆ?おじさん、まりさになにかごよう?」 ゆっくりまりさを持ち上げたのは1人の男だった。 「んー、特になにもないけど、君とゆっくりしたくてね。」 「ゆっ!じゃあ、まりさといっしょにゆっくりしようね!」 ゆっくりという言葉に反応して上機嫌になるゆっくりまりさ。 「ところでおじさん、なにかおしいものもってない?まりさおなかすいちゃったー。」 長い冬篭りのせいでろくに食事をできていなかったのか空腹を訴えるゆっくりまりさ。 「んー、おいしいかは分からないけど、お花の種なら持ってるよ?」 男は両手で持っていたゆっくりまりさを片手で抱えなおすと、腰に下げた小袋か花の種を 取り出しゆっくりまりさに見せる。 「ぽ~り、ぽ~り、む~しゃ、む~しゃ。」 花の種を見るや否やすぐさまかぶりつくゆっくりまりさ。よっぽど腹がすいていたのだろうか。 「ゆゆっ!おじさんこれはあまりおいしくないよ!もっとおいしいものをちょうだいね!」 あれだけがっついておいて更に食事を要求するゆっくり。 「そんなこと言われても、今はこれしか持ってないしなー。」 そういって、ぱらぱらと花の種をゆっくりに振り掛ける男。 「やめてよおじさん!もう、おはなさんのたねはいらないよ!!」 「おーい!春告精はおらんかー!!!」 ゆっくりの抗議の声を無視し、大声で叫ぶ男。その声に驚きビクッとするゆっくり。 「はいはーい、ここですよー。」 男の声に反応して、声が返ってくる。その声は男の上から聞こえてきた。 「ゆ?おねえさんはだれ?ゆっくりできるひと?」 上空からの突然の来訪者に疑問の声をあげるゆっくり。 男の上空から現れたのは、白い三角帽子に白い服を纏った妖精の少女だった。幻想郷に春が来たことを 告げる妖精、リリーホワイトである。 「お兄さん、私に何か御用ですか?」 男に何用かと尋ねるリリー。すると男は、 「ああ、あるとも。ここに丁度花の種がある、これに春を与えてはくれんかね?」 そういってゆっくりまりさをリリーの前に突き出す。ゆっくりまりさは男が何をいっているのか分からず 顔をしかめる。 「はーい、お安い御用ですよー。」 まかせろ!というように即答するリリー。 「それじゃいきますよー。・・・・・・・・春ですよー!!」 リリーは息を整えた後、元気一杯に叫んで万歳をするような格好をとる。全身からはこうなんというか、ぽわ ぽわしたピンク色のオーラがあふれ出していた。 ・・・ぴょこ。 その春オーラにあてられた花の種が芽を出した。 ぴょこ、ぴょこ、とゆっくりまりさの周りにあった花の種が次々と芽をだしていく。 「ゆー!ゆー!」 妖精の起こす奇跡に目を輝かせるゆっくりまりさ。しかし、異変はすぐに起きる。 ぷっ、ぷつ、と何か小さな穴が開くような音。その音に反応してゆっくりまりさは周りを見渡す。しかし、自分の 周りにはそのような音を出すものは見受けられない。突然、激しい空腹感に苛まれるゆっくりまりさ。 「わー!キレイに咲きましたね!それでは、私はこれで!」 「おーう、ありがとさん!」 満足げな顔で立ち去るリリーに笑顔で謝礼と別れの挨拶をする男。 「おじ・・・さん・・・、なに・・・いってるの・・・・?」 あまりの空腹に言葉がたどたどしいゆっくりまりさ。 「何って・・・ああ、そうか、お前は見えてないものな。ほら。」 ゆっくりまりさの顔を近くの小川の水面に写してやる男。 「???!!!」 そこにあったのはまりさの顔だった。しかし、その顔は先ほどまで小憎たらしいほどに丸々した饅頭顔とはちがって、 まるで干しぶどうの様に皺くちゃだった。しかも、その周りにはまるでまりさを彩るようにたくさんの花が咲いていた。 そう、先ほどのリリーの春オーラによって、まりさの食べた花の種や、男が振りまいた種が土を求めてまりさの中へと 根を伸ばしたのだ。先ほどまりさが聞いた音は、花の茎がまりさの皮を突き破る音と、根が皮を突き破る音だったのだ。 「ゆ゛・・・・・・・っ!」 その衝撃の事実に悲鳴を上げそうになるが一段と強まった空腹感に思わず黙り込むゆっくりまりさ。 「ふむ、少し種が多すぎたか。一気に吸われて餓死寸前じゃないか。」 男はそう分析しながら品定めをするようにゆっくりを見回す。 「このまま死なれても実験の意味が無い。念のために持ってきてよかった。」 そういって男は少量のオレンジジュースをゆっくりに与える。 「どう・・・じで・・・?どうじで・・・こんなごとずるの・・・?」 オレンジジュースによって少し活力を取り戻したゆっくりは息もたえたえに男に怨嗟の声をぶつける。 「そりゃ、俺だっておまんまに食いつきたいからな。」 とりあえずゆっくりの命に別状が無いことがわかると男はゆっくりを抱えたまま里のほうへ向かった。 「よろこべゆっくり。今日からお前はそのお花さんとこれからずっと一緒に暮らせるんだぞ。食べ物は俺が用意してやるから 安心しろ。」 その男の言葉をきいてゆっくりまりさは、これでずっとゆっくりできるね・・・。とか、お花さんきれいだね・・・。とか、 思っていたが拭いきれない空腹感を忘れるため静かに眠ることにした。 数ヵ月後、加工所から新製品が発売された。 それは、「初心者でもできる!ガーデニング用ゆっくりプランター」というものだった。 あらかじめ発芽した状態のゆっくりでガーデニングを楽しめるというものだった。やることは一日一回の水の入れ替えと、 初心者でも分かるように親切なフラワーガイドブックがついていたことから、ガーデニングに興味のあった奥様方から子供の 夏休み宿題用と、幅広い人々の支持を得て一躍人気商品となった。 ゆっくり春ですよー。 完 書いた人:名も無き作者
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2503.html
夕日に照らされた山道で、俺はゆっくりと仲良く追いかけっこをしていた。 それも、和気あいあいと談笑しながらだ。我ながら仲睦まじいね。 背景がきれいな砂浜であれば、より一層完璧であっただろう。 だが互いが話す内容を具体的に言うと、俺がバカにされたり、俺がバカにされたりである。 なんだこのゆっくり。 「おいこら! きっちり捕獲されろ!」 「あなたのような乱暴な人に捕まえられるわけないでしょう? ゆっくりりかいしなさい!!!」 相手は若紫の髪に、目玉のような奇妙な飾りをつけた『ゆっくりさとり』である。 俺はちょっとした虐待以外にも珍しいゆっくりを飼うのが趣味で、実際家にも何匹か飼っていた。 そこで捕獲しようと頑張っているのだが、どうもうまくいかない。 「い―――」 「『いいかげんにしろ』ですって? 私のセリフです」 「ゆ―――」 「『ゆっくりの癖に漢字を使うな』ですか。ほめ言葉ですね」 「し―――」 「『しゃべらせろ』……しゃべればいいじゃないですか」 さとりは心を読むことができる。 そのせいで他のゆっくりからも嫌われているようだが、人間の心も読まれるというのは致命的だった。 先回りして捕まえようにも、先回りすることが読まれる。 俺が偶然さとりと出会えたのだって、ぼーっと何も考えずに歩いていたからだ。無意識すげえ。 (しかし、こう走ってると疲れるな) 「なら帰ってくれませんか?」 「いや、お前を捕まえるまでは帰らん!」 「おやおや? 先ほど『やべっ、そろそろ限界』と思ったのはお見通しなんですよ?」 「……うぜぇまるよりうざいな、お前」 「えぇ、そうですね。では私はこれで」 「え?」 そう言うと突然真横にはねて、さとりは岩が組み合わさった小さな隙間の奥へとはいって行ってしまった。 どうやら最初からここに来るよう、俺の動きを誘導していたらしい。 なんだそれ。やはり漢字を使えるゆっくりは、賢さのレベルが一回り違うというのか。 「中に手を突っ込めば……いや、結構奥深いぞこれ。おうちなのか?」 「ゆっくりあきらめなさい。人間には捕まりません」 「くっ……」 悔しいが、さとりの言う通りだった。 何の道具もない俺では岩をどかすことも、中にいるさとりを引きずり出すこともできない。 木の棒を使えばかき出すことはできるかもしれないが、傷ついて死んでしまう可能性の方が高いだろう。 ここはおとなしく帰って、また今度リベンジするしかなさそうだ。 「いいか! 俺を退けたとしても、いずれ第二第三の俺が現れるだろう! それまでゆっくりと過ごすがいい!!!」 「……それ、全部あなたじゃないですか」 捨て台詞を残したあと、俺はゆっくりと来た道を引き返し始めた。 勿論、そこら辺の石で軽く木を削って、またここに来れるよう目印を付けながらだ。 家に帰って考えれば、一つか二つはいい案が思いつくはずである。 このまま諦めるのは癪だしな。 ◇ ◇ ◇ 次の日の夜のこと。 さとりがおうちで眠たげにうとうとしていると、どこからか心の声が聞こえてきた。 (うー! ゆっくりしね!!!) 「……ふらんですか。ゆっくりできませんね」 さとりはそんなに遠くの心の声が聞こえるわけではない。 おそらくこのふらんも、このおうちの近くを飛んでいるのだろう。 とはいえ、さとりも基本はゆっくり。 このおうちにはやってこないだろうと楽観的に思い、再びゆっくりしようとする。 (うー、ここがさとりのおうち?) 「!?」 しかし、なぜかピンポイントでさとりを狙った言葉に、寝ぼけた頭が一気に覚醒した。 ふらんは "れーばていん" という長い棒を持っている。 たとえ人間の手が届かないくらい奥でも、棒を使われたら関係ないことは自覚していた。 岩の裂け目はほとんどまっすぐだから避けることもできず、このままだと串刺しにされてしまうだろう。 「ゆっくり逃げます!」 夜におうちの外に出るのは自殺行為だが、ここにいれば確実に見つかる。 とりあえず木の影をうまく使えばうまくやり過ごせるだろうと思い、さとりはふらんが近づく前に家の外に出ることにした。 ……実際はふらんがおうちを見つけた時点でかなり近いのだが、そのことは気づいてないらしい。 そうしておうちの外に出た瞬間、さとりのあんよにねっとりとした何かがついた。 そのまま跳ねようとするが、うまく跳ねれずに転んでしまう。 「え?」 「うー! みつけた♪」 さらに動けないところをふらんに見つかり、あっさり回収されたのだった。 ◇ ◇ ◇ ふらんが戻ってきたとき、俺は真っ先にさとりの足についているものをはがした。 小さなダンボールの板にとりもちをぬった、よくあるネズミ用のトラップである。 あらかじめさとりのおうちの前にこれを置いておき、ふらんが襲ってきて逃げ出すところを捕まえる作戦だったのだ。 「くっ! 罠とは卑怯ですね」 「罠じゃない。そこは優雅にトラップというんだ」 そんな冗談を言いつつも、足早に準備した部屋へと連れていく。 心を読まれるとまずいからな。 俺の虐待は肝試しとおんなじだ。なんでこうなるのかわからないからこそ怖い。 ……いや、肝試しはわかってても怖いけど。 「それがあなたのトラウマですか」 「……知らないなら教えてやろう。お化けが怖くない人なんていない! たとえ百戦錬磨のプロレスラーでも、幽霊だけは怖いんだぞ!」 「『嘘だけど』」 「…………」 やっぱこいつ生意気だな。 ◇ ◇ ◇ 「それじゃあ、ここで生活してくれ。ごはんはそこに五日分あるから、計画的に食べるんだぞ」 「きゃっ!」 何か気にしているところでも突かれたのか、さとりは心なしか乱暴に放り投げられた。 ぜんぜんゆっくりできない人間だ。 とりあえず起き上がって周りを見てみるのだが、当然ながらさとりの知識ではよく解らないものだらけである。 ここが壁さんに囲まれていることは解るけれど、なぜか他の壁さん(柵のこと)にも囲まれていた。 それにさっきまでお外は夜だったのに、この部屋の太陽さん(電球のこと)は明るい。 人間のおうちって、なんて変な場所だろう。 ここにはさとりの他にもゆっくりがいた。 れいむとありすがシーソーで遊んでいるし、ぱちゅりーは本を読んでいる。 ちぇんは滑り台を滑っているし、ゆらゆらと揺れるブランコにいるのはまりさだ。 どれもさとりの知らない遊具であったが、誰もが楽しそうな声を上げているのを聞いて、さとりはちょっと安心する。 六匹にはちょっと狭い場所だけれど、どうやらそんなにゆっくりできないわけではなさそうだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 「え? えぇ、ゆっくりしていきます」 突然、まりさに声をかけられた。 新しくこのゆっくりプレイスやってきたから、挨拶を求めているのだろう。 全然気配がしなかったため驚いたが、さとりは普通に挨拶を返した。 「……え?」 そう、全然気配がしなかった。 第三の目を済ませてみるが、心の声は一切聞こえない。 まりさの考えていることが解らなかった。 れいむの考えていることが解らなかった。 ありすの考えていることが解らなかった。 ちぇんの考えていることが解らなかった。 ぱちゅりーの考えていることが解らなかった。 距離が足りないということはない。なにせ目の前にいるのだ。 心の声どころか、本当の声まで聞こえている。 さとりの経験上この柵に囲まれた中であれば、どこでも全員の声が聞こえるはずだった。 「どうして……?」 心の声が聞こえなくなった事実を受け入れたさとりは、顔を青くしてゆっくり達のいる方向から後ずさる。 彼らが何を考えているのか、まったくわからないこの状況が恐ろしかった。 『あー、テステス。さとり、聞こえてるか?』 その時、さとりを捕まえた人間の声がどこからか響いてきた。 さとりはとっさに身構えるが、人間の姿は見えない。やっぱり心の声も聞こえない。 これはいったい、どういうことだろう。 『とりあえず用件だけ言うとな、お前にはちょっとそこで五日間ほどゆっくりしてもらおうと思うんだ』 「ゆっくりしてもらう……本当にそれだけですか?」 『おいおい、お前は心が読めるんだから言わなくても解るだろう?』 まるで当然のようにそう返されたため、さとりは口を噤んでしまう。 この人間はどうやら、この状況でも考えが読めると思っているらしい。 さとりにとって相手の心の声が聞こえないというのは、武器が使えないのと同じである。 ここは、嘘をつくのが一番だろう。 「も、もちろんわかりますよ?」 『……そうか。それじゃあ頑張ってくれ』 そしてそれ以降、人間の声は聞こえなかった。 さとりはうまく騙せたと思い、ほっと一息つく。 とりあえず、なんとかなるだろう。 ◇ ◇ ◇ 監視カメラを使って隣の部屋を見ていたしていた俺は、ほっと一息ついた。 こちらの部屋にいる自分の心が読まれないことを確認したからだ。 ……あれだけばればれな態度なのに、本当にこちらが気付いてないと思ってるんだろうか。 「柵を使ってこの部屋と距離を取ったんだが……いや、よかった。賭けだったからな」 さとりの能力は物に遮断されない。ということは、壁越しに心を読まれて当然なのである。 だからわざわざ柵を用意して、壁の近くに移動できないようしたというわけだ。 しかし一つだけ問題があった。 それに気づいたところで、どのくらいの距離を離せばよいのかさっぱりわからないのだ。 最初はネットに頼ろうと思ったのだが、さとりの情報がすごい少ない。 まともに書かれているのが片手で足りるってどういうことだよ。 「……とりあえず今日はこのまま部屋の電気を切って終わるか。れみりゃ、最後にもう一杯―――」 そう言った時、俺は思いだした。 俺はれみりゃをメイド長として給仕などをさせていたのだが、 この部屋には今、その姿はない。 それどころか、家の中のどこにもれみりゃはいない。 「…………」 この家で一番役に立っていたれみりゃ。 なんだかんだで言うことを聞いてくれてたっけ。 「れみりゃ……」 ――ドタドタドタ。 「う~♪ れみぃをよぶこえがきこえたどぉ~☆」 「なんだ、せっかく殺そうとしていたのに」 「うぅー!?」 「いや、それよりどうしたんだ? 今の時間は外に出て遊んでもいいって言ったろ?」 「うー! おすそわけだどぉー♪」 そう言って手渡されたのは、れいむの死体だった。 先ほど仕留めたばかりなのか、まだピクピク動いている。 おそらく、これを持ってくるためにわざわざ戻ってきたのだろう。 ……かわいいやつめ。 「でも汚いから捨ててこい」 「うぁぁっ!?」 ◇ ◇ ◇ 一日目 さとりは最初、この生活を甘く見ていた。 ゆっくりできるごはんに、ゆっくりできるおうちがあるのだ。 野生の考えであれば、それだけで十分ゆっくりできる。 「きゃっ!」 だが、普段から一匹で暮らしていたさとりは忘れていた。 この狭い空間の中には、自分以外のゆっくりが五匹もいることを。 「……うぅ」 背中から突き飛ばされたさとりは後ろを振り向くが、すでに誰もいない。 きっと起き上がる前に、遊具のところまで移動したのだろう。 先ほどからこんなことが続いていた。 大皿に乗ったご飯を食べようとすれば、横から体当たりされる。 遊具で遊ぼうとすれば、誰かが先に遊んでいた。 要するに、陰湿ないじめである。 さらに、ここに単独で連れてこられたさとりには味方がいなかった。 誰も話そうともせず、遊具で楽しそうな声を上げているばかり。 唯一さとりに許されていることといえば、みんながゆっくりする様子をただ見るだけである。 さとりは何故第三の目で読み取れないのか、不思議に思った。 そうすれば邪魔しようとした瞬間に気付けるのに。 二日目 れいむたちは昨日の陰湿ないじめは何処へやら、堂々とさとりをいじめ出した。 ごはんを食べようとするのを邪魔するのは勿論、食べている最中まで体当たりをしてくる。 かろうじて必要な分を食べたあとも、ゆっくり気を抜くことできない。 常に誰かが隙を見ては、付き飛ばそうとするからだ。 「ゆっくりできませんね……」 さとりはたった二日にして、強気な性格がすっかり崩れ去っていた。 それにはやはり、心の声が聞こえなくなったことが一番の要因として挙げれるだろう。 今まで自由に使えたはずの能力が何の反応も示さない。 持っていて当然ものが失われるというのは、大きな不安を生み出すのである。 心が読めないさとりは、ただのゆっくり。 本来野生では生きていけない個体なのだ。 その事実が本能的に、さとりを劣等感で苦しめていた。 三日目 さとりは何もされなかった。本当に何もされなかった。 みんな柵の隅っこでじっとしており、たださとりの方を見ているだけ。 ごはんに口をつけても、誰も襲ってこない。 思い切って遊具で遊んでみても、誰も付き飛ばさなかった。 ただ、ただ、さとりの方を見ているだけである。 さとりは知らなかったが、注目されるというのは慣れていなければ極度の緊張状態をもたらすのだ。 ましてや、見つめているのは二日間さとりを攻撃してきた相手。 いつ襲ってくるかもしれない恐怖でびくびくしながら行動する様子は、 見られているというよりは一挙一動を監視されてるような感覚だったであろう。 「――うぷっ。えれえれえれ……」 そのうち、十個の目に見つめられ続けるストレスにより、一回だけ中身を吐いた。 それでも彼らは静かだった。気味が悪い。 何もいじめられてないはずなのに、さとりはゆっくりできないままであった。 「どうして私がこんな目に……」 さとりは今こそ心を読みたいと思う。 あのれいむたちが何を考えているのか、まったくわからなかった。 わからないのが、怖かった。 四日目 朝食を食べようとゆっくりフードが置いてある大皿のところに行くと、何も入ってない大皿が一つ。 一体どういうことかと周りを見渡すと、遊具のところにいた一匹が答えてくれた。 最初にあいさつをしにきた、あのまりさである。 「ゆっくりできないさとりには、ごはんさんをわけてあげないよ!」 それを聞いたとき、いったい何を言われたのかよくわからなかった。 じゃあいったい何を食べればよいのかと。 その時、ちぇんが目配せと尻尾で昨日自分が吐いた中身を示す。 まるで『わかるねー?』とでも言いたいかのように。 瞬間、さとりはこれまで感じたことがないような憤りを覚えた。 自分の吐いた物を食べろというのは、今まで考えたこともないほどの屈辱だったのだ。 怒りに身を任せてちぇんに襲いかかろうとするも、すぐに他のゆっくりに押さえつけられる。 だがそのくらいでは生まれて初めて知った憤怒の炎は消えない。 押さえつけられてもしばらくの間、ちぇんをじっと睨み続けるのであった。 けれども、生物(?)である以上お腹は空く。 あれからしばらくして仕方なしにさとりは自分の吐瀉物を食べ始めるのだが、 丸一日時間がたっていることもあってか気が遠くなるような味である。 しかし昨日さとりが失った分を補うためには、何か食べなければいけない。 皮肉にも今のさとりに食べることが許されているものは、自分が吐いたものしかないのだ。 ふと遊具の方を見ると、誰もがおいしそうにゆっくりフードを食べてるのが見えた。 どうやら昨日まで大量にあったゆっくりフードは、あの遊具の影に隠されているようだ。 一生懸命さとりが汚らしい中身を無理やり飲み込んでいく最中も、ちぇん達はゆっくりフードを幸せそうに食べ続ける。 さとりは悔しさのあまり泣いてしまった。 ここに来て初めての涙だった。 このころになると、さとりは本当に心を読む能力が使えるのか疑問を抱き始める。 もしかしたら人間に捕まった時に、何かされたのかもしれない。 次に心の声が聞こえるときは、もう二度と存在しないのかもしれない。 何にしても、さとりにはどうしようもないことだった。 五日目 最初に告げられていた通り、さとりがこの部屋にいる最後の日である。 ―――もっとも、そのことに気付ける状況ではなかったが。 「いだっ! いだいでず! やべてくだざい!」 今日は、朝から全員のサンドバッグにされていた。 それは二日目の堂々としたいじめとも違う、ただの公開リンチである。 数匹がさとりの周りを囲み、適当に体当たりで痛めつけた後交代する。 さとりは空腹感で反撃しようという気持ちすら失われており、昨日のような怒りを捻り出す気力もない。 さらに、リンチするゆっくりが一様に無表情なのも恐ろしかった。 その何を考えているかわからない状況は、さとりに三日目のような不気味さを思い出させる。 「も、もうやべてぇ……」 何でこんなことをするのか解らない。 何でこんなことをされているのか解らない。 何で心が読めないのか解らない。 何も解らない。 解らない。 前述したとおり、心が読めないさとりはただのゆっくり。 不意打ちにも対応できず、ただ無力で、優位に立つことなく、簡単に捕まってしまう。 暴行を受け続ける中、さとりは自分が野生で暮らしていた時のことを思い出していた。 周りのゆっくりから嫌われてはいたが、一匹で十分ゆっくりした生活ができ、能力を使って人間から逃げ切ることもできたころ。 もう一度心が読めるなら、何を失ってもよかった。 ◇ ◇ ◇ 次の日の朝、俺は日曜日独特のさわやかな気分に包まれて目を覚ました。 さとりと出会ってから、今日でちょうど一週間である。 「さて、どうなってるかな」 簡単に着替えた後、さっそく例の部屋の扉を開けてみた。 そして柵に近づいた瞬間、さとりが急に起き出してこちらを向く。 ……ああそうか。突然心の声が聞こえだしたらびっくりするわな。 「よっ! ゆっくりおはよう!」 「…………」 直接会うのは一週間ぶりだったが、初日のような生意気な反応は一切返ってこなかった。 なんか驚いて硬直している。心が読めることがそんなに衝撃なのだろうか? でも挨拶ぐらいは返してほしい。 「全身に痣ができてひどい有様だな」 「……そうですね」 やっと反応が返ってきたので、ほっとする。 これから我が家の飼いゆっくりにするつもりなのだ。壊れていたらどうしようもない。 「飼いゆっくり?」 「どうだ? 俺の飼いゆっくりになるならここから出してやる。 簡単なルールを守るだけで、おいしいごはんに安全なおうち。賢いお前ならルールも楽に学べるだろう。 後は俺を怒らせなければバラ色のゆん生の始まりだ!」 飼いゆっくりにならないのなら、もう一週間ここで暮せ。 もしくは今すぐ潰してやる。 ぶっちゃけ脅迫なのだが、本当に悪い扱いはしない。 それに、こういう元から賢いゆっくりは便利だしな。 さとりはこの一週間を思い出したのか、一瞬だけ身震いをする。 どうやら相当に堪えていたようだ。 「……『もう一週間ここで暮せ』なんて、選べませんね。ゆっくりりかいしました。飼いゆっくりになりましょう」 「おお、そうか! それは良かった!」 俺は心から喜んだ。いや、実は飼いゆっくりにならなければ俺も困るのだ。 さすがにもう一週間同じことをするのは飽きる。 見ればさとりの表情も、なんだかほっとしていた。俺の喜びが偽りでないと知ったからかもしれない。 「じゃあ、さっそく『おしおき』な?」 「え?」 「いや、最初にお前と出会った後、山道にちょっと迷ってな。木に目印をつけていなかったら本当にやばかった」 あの時の恐ろしさを言葉にするのは難しい。 徐々に空が暗くなっている中、一人で道なき道を通って山を下るのだ。 一度やってみろ、遭難する怖さがマジでわかる。 「部屋から出たばかりで悪いが、なんとかなるだろ。……とりあえず今回は何をしようか」 できれば後遺症を残したくはないし、死んでもらっても困る。 最初は口を縫うことから始めよう。 そのあと適当に針を刺したり、蠅叩きでたたいたり…… そういや中身ってなんだ? 目玉が付いた飾りはグミでできてるみたいだが、中身は食べてみんと解らんしな。 小さな穴でもあけて食べてみるか。 ……あれ、なんかさとりの様子が変だ。 「いやですいやですやめてくださいいやいやいや……」 なんか血の気が引いた顔ですごい嫌がってる。 涙目で小刻みに震えている様子はとてもかわいらしかったので、ちょっと抱き上げてみた。 おお! ぷにぷにがぶるぶるで気持ちいいぞ!? 「どれも簡単で易しいものなんだ。安心しろ、別に足を焼いたりするわけじゃない」 「やめてくださいそんなことを考えないでいやだそんなのやりたくない……」 「おいおい、世の中にはもっと酷いことをする奴らがうようよいるんだぞ? このくらいじゃあ序の口だって」 「なんでそんな方法がいやでずもうぞんな心なんで読みだぐないですだがらやべで……」 ……はて。そこまで言われるほどのことなのか? 別に体の中に蟻の巣を作るわけじゃないし、他のゆっくりと合体させるわけでもない。 大丈夫。飽きたらすぐに終わるから。 「なんで心が読めるのにごんなごどにいやだぼう知りだぐないでずやべでやべでぐだざい……」 ◇ ◇ ◇ あの部屋で生活していたころのさとりは、心が読みたかった、読めるように戻りたかった。 それこそどんなものでも差し出す覚悟だったはずだ。 今のさとりは、心を読みたくなかった。 次々と人間の頭に思い浮かぶ『おしおき』の数々に、それこそ心から恐怖していた。 この部屋から抜け出せると聞いたときは、ゆっくりできると思ったのに。 飼いゆっくりになると聞かれた時は、ゆっくりできると思ったのに。 最後まで期待を裏切られたさとりは、壊れたレコードのように拒絶の言葉を吐き続けるだけだった。 「知りだぐないでず考えないでおねがいだがら心なんでぼう読みだぐないっ―――!」 そしてさとりは一つの結論を悟る。 第三の目で相手の考えを知ることは、別に武器でも何でもなかったのだと。 結局心が読めても読めなくても、さとりはゆっくりできないのだ。 ◇ ◇ ◇ その後まもなくして、さとりは気絶した。 気絶したゆっくりに『おしおき』という名の虐待をやっても仕方ないので、 とりあえず台所に置いておいておき、今はおりんに監視させている。 ちなみにおりんは『これでさとりさまとゆっくりできるよ!!!』と言って喜んでた。 最初から様付けかよと思ったが、さくやとれみりゃみたいな関係なのだろう。 「それじゃあ、とりあえず片付けるか!」 柵を取り外して仕舞った後、遊具を元の場所に戻す。 よし、片付け終わり! その間、れいむやぱちゅりーたちは一切動かなかった。 それもそのはず。これはゾンビゆっくりだ。 見た目だけは野生にいるころと変わりないが、帽子の下は中身が丸出しになっていて、中枢餡を抉り出した跡がある。 数あるゾンビゆっくりの中でも、これほど綺麗なゾンビゆっくりはそういないだろう。 「ユックリシテイッテネ!!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり……って、ゾンビに言っても仕方ないか」 今回の虐待も、おりんの協力が不可欠だった。ゾンビって便利だね。 しかしさとりを虐めるのはいやだったのか、ちょっとぐずってしまったので、 『今回の虐待が終われば飼いゆっくりにする』と言ってなだめすかした。 ――勿論、最初から飼いゆっくりにする予定だったなんて教えてない。 その時、まりさが何か言いたげな目をしてこっちに向かってくる。 こいつだけはゾンビゆっくりじゃない。ちゃんと生きているゆっくりである。 ゾンビゆっくりは複雑な会話ができないから、今回のバランサーとして紛れ込ませていたのだ。 「おにーさん! こいしにぼうしさんをかえしてね!」 「解ってるって。……ほらよ」 そう言ってゆっくりこいしはまりさの帽子を脱ぎ棄てて、黄色いリボンが巻かれた黒帽子をかぶり直す。 実は一番苦労したのってこいつかもしれないな。 「しかし……本当に帽子を入れ替えただけで解らないのか」 「ゆっ! こいしの "むいしき" で、だれにもわからないんだよ!」 「いや、たぶんそう言う意味じゃない」 突然、台所から悲鳴が聞こえてきた。 この叫び声は、おりんのものだ。 驚いた俺は、すぐにこいしを抱えて台所に向かう。 「どうしたっ!? さにーがガスコンロをいたずらしてるのか!?」 「ざどりざまが……ざどりざまがぁ……」 さとり? さとりがどうかしたのだろうか。 俺はさとりを置いていた場所を見る。 そこには気絶から回復したさとりの姿が―――あ、あれ? 「こいし、こいこがれるようなゆっくりがしたいな!!!」 どうやらさとりは第三の目を閉じたようです。 あとがき おにーさん、こいし二匹目GET。 さとりが第三の目を閉じるとこいしになるという設定です。 いつも通り初見でも虐待部分は楽しめますが、過去作を読んでくれれば節々がわかりやすいと思います。 しかし、ゾンビは本当に便利ですよね。 炎で攻めても電気で攻めてもそこそこ動き続けることができますし。 せめて、おりんを使った虐待が増えてくれないものでしょうか…… 前に書いたもの ゆっくりいじめ系2744 B級ホラーとひと夏の恋 ゆっくりいじめ系2754 ゆっくりできないおみずさん ゆっくりいじめ系2756 ゆっくり障害物競走? ゆっくりいじめ系2762 れみりゃはメイド長 ゆっくりいじめ系2775 信じてくれない ゆっくりいじめ小ネタ517 見えない恐怖 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/cisvul/pages/7.html
wikiについて ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます ■ 新しいページを作りたい!!ページの下や上に「新規作成」というリンクがあるので、それをクリックしてください。 ■ 表示しているページを編集したい!ページ上の「このページを編集」というリンクや、ページ下の「編集」というリンクを押してください。 ■ ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!!お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報を表示できます。詳しくはこちらをどうぞ。 ■ ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!!RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 ■ その他にもいろいろな機能満載!!詳しくは、FAQ・初心者講座@wikiをみてね☆ **分からないことは?@wikiの詳しい使い方はヘルプ・FAQ・初心者講座@wikiをごらんください。メールでのお問い合わせも受け付けております。 ユーザ同士のコミュニケーションにはたすけあい掲示板をご利用ください 番号無しリスト リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 行頭で - または ・ を指定すると、番号なしリストになります。 番号リスト 番号リスト1 番号リスト1 番号リスト1 定義語 定義語 説明文 行頭を で始め、| 記号で区切ると、定義リストになります。 整形済みテキスト 行頭が半角空白で始まる行は整形済みテキストとなります。行の自動折り返しは行なわれません。 表組み インライン要素 インライン要素 行頭から | でインライン要素を区切ることで表組みになります。 インライン要素のはじめに以下の記述をすることで、表組みのセルの表示を変えることができます。 BGCOLOR(色指定) COLOR(色指定) SIZE(サイズ指定) LEFT CENTER RIGHT 見出し 見出し 行頭で * または * を記述すると、見出しになります。 水平線 行頭で4つの - を書くと水平線になります。 行間開け 改行することで行間をあけることができます。 画像の貼り付け #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (添付ファイル名) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ファイルのURL) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (添付ファイル名) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ファイルのURL) 行頭で #ref を記述すると、添付ファイルまたは指定されたURLにあるファイルへのリンクを貼り付けることができます。ファイルが画像ファイルの場合は、その画像を表示します。 行の途中の場合は&ref()を使います。 コメントフォーム1 名前 コメント 行頭で #comment を記述すると、コメントを挿入するためのフォームが埋め込まれます。 設置したページにログが残ります。 コメントフォーム2 名前 コメント すべてのコメントを見る 行頭で #comment_num を記述すると、コメントを挿入するためのフォームが埋め込まれます。 1つのコメントごとにページが作成されます。 引数 size=数字 nsize=数字 num=数字 logpage=ログページ名 above|below nodate コメントフォーム3 名前 コメント すべてのコメントを見る 名前 コメント すべてのコメントを見る 行頭で #comment_num2 を記述すると、コメントを挿入するためのフォームが埋め込まれます。 1つのログページにコメントが記録されます。 コメントフォーム2とは違い、1つのコメントごとにページが作成されません。 引数 size=数字 - コメント入力欄の横の長さ nsize=数字 - 名前入力欄の横の長さ vsize=数字 - コメント入力欄の縦の長さ num=数字 - 一度に表示するコメント数 logpage=ログページ名 - ログページの指定 above|below - 上向き|下向き nodate - 日付を表示しない 投票 選択肢 投票 選択肢1 (0) 選択肢2 (0) ... (0) 行頭で #vote を記述すると、簡易投票フォームが埋め込まれます。 改行 行中に &br() を書くと、そこで改行されます。 カウンタ表示 - - 行中で 30992を記述するとそのページにアクセスした人の数を表示することができます。 30992には次のオプションを指定できます。 - 今日のアクセス数を表示します。 - 昨日のアクセス数を表示します。 リンク @うぃき? 行中で と ? で囲まれた文字列はページへのリンクになります。ページがない場合も自動的にリンクになります。 リンク名? http //から始まるURLを の右側に入力することで外部ページへのリンクになります。 別名内部リンク 別名? 行中のページ名形式の文字列の中で、 で2つの文字列を区切ると別名リンクになります。 の前には別名を、 の後ろにはページ名を記述します。 コメント行 行頭で // を指定すると、コメント行になります。コメント行は出力されない行です。 強調 太文字 シングルクオーテーション×2個で文字列をはさむことで太文字で表示できます。
https://w.atwiki.jp/bloodplus/pages/153.html
WIKIって? このサイトはWIKIと呼ばれるツールの一種である「PukiWiki」を利用して作られています。 WIKIは読むだけのサイトではありません。(もちろん読むだけでも全然かまいません(^^)) WIKIとは誰もがページを自由に書き換えられる便利なWebシステムです。 例えばあなたも、このページ上部にある「編集(左から2番目のノートと鉛筆のアイコン)」から内容を編集でき、同様に「新規(左から1番目のノートが光っているアイコン)」からは新たなページを作ることが可能です。 BLOOD+についてのページであれば特に内容は問いませんので、ぜひあなたもページを書いてみてください。(詳しくはページ作成ガイドやヘルプをご覧下さい。) 一覧の五十音順がおかしい場合の修正は config/PageReadingから行えます。 用語などのカナ表記は、基本的に公式サイトに準拠しています。 (例 ×…ディーバ ○…ディーヴァ) 閲覧者の利便性を考え、人名フルネームはファーストネームなどの短い名前へのリンクにし、そちらに詳しい説明を書くこととします。 (例 音無小夜→小夜) 英数字や記号は基本的には半角で統一します。 「編集はちょっと荷が重いな…」という方でも、各ページへのコメント書き込みや、投票所などがありますので、お気軽にご参加ください。 公式サイトやWikipediaなどからの引用のルールはこのあたりを参考にしてください。
https://w.atwiki.jp/claunch/pages/18.html
改変・削除するときに本当に消してしまって良いのか迷ったところをコピペしてとりあえず保存するページ ここは基本的に消さずにコピペで付け足していくページです
https://w.atwiki.jp/tiktokkakuukokka/pages/38.html
https //w.atwiki.jp/tiktokfc/ TikTokの架空国家界隈のWiki統一しましょう!!
https://w.atwiki.jp/kobetakigawa/pages/31.html
56 名前:名無しさん 2007/09/20 09 59 ID wKodQZ4. [ EATcf-219p101.ppp15.odn.ne.jp ] 裏サイトに自殺した生徒の、下半身写真とか、嘘つきとかずいぶん出てたね。 消されたけど。 なんで、嘘つきって連呼してたのかって思ったけど、 嘘つを付くたび一万円っていうルールのせいだったんだね。 裏サイトを見たとされる者の書き込み (フットサルサークルの公式HPトップ) 裏サイトいじめの舞台となったHPは少なくとも2つ、更にフットサルサークルの公式HP、サイトいじめが始まる前の携帯HPの4つが確認されている。詳細はべくとるずHPを参照。 兵庫県少年捜査課と須磨署に恐喝未遂容疑で逮捕された同級生(17)を含む同級生数人が撮影やHP作成に関与していたとみられる。同課などもこのHPの存在を把握しており、遺書の内容との関連を調べている。 関係者の話などによると、このHPは、自殺した生徒が自ら作成したようなつくりになっており、パスワードを持った利用者だけが閲覧できたという。 エスカレーターのステップを使って足を強引に開かされる動画などが掲載されており、関係者は「アクセス数は二万を超えていたという話もあった」としている。 また、同級生の携帯電話には、学校の教室で服を脱ぎ、同級生の悪質な要求に応じる動画もあったといい、HPに掲載されていた可能性もある。 男子生徒は遺書の中で「HPを見た人から『不愉快だ』などと言われたが、勝手に作られた」「写真は無理やり撮られた」などと、嫌がらせについて触れていたという。 一方、同校は聞き取り調査で、逮捕された同級生ら数人がホームページを設け、管理していたことを確認。生徒らは「自殺した生徒への悪口など書き込みの内容がひどくなったので、(生徒の自殺前に)自分たちで閉鎖した」と説明したという。 9/20神戸 県警少年捜査課と同高関係者によると、約1年半前、自殺した生徒や恐喝未遂容疑で逮捕された同級生の少年(17)が所属するフットサル同好会の情報交換の場として、インターネット上にHPが開設された。このHPは自然消滅し、これとは別のHPが今春、開設された。 同級生らが、自殺した生徒が自らつくったように装って作成したとみられるという。 新しいHPには、モザイクの入った生徒の下半身の写真などのほか、生徒の実名とメールアドレス、住所や電話番号などが書き込まれた。その1~2週間後、生徒が閉鎖させたという。生徒の携帯電話には6月ごろから、HPの閲覧者とみられる人物から「金を送れ」などと脅す匿名メールが再三送信されるようになった。 「じゃあ、行くからな!」との匿名のメールも届き、生徒は7月2日、メールアドレスを変更したとされる。その翌日、自殺した。 同高は、HPに嫌がらせの画像があったことを、少年の逮捕後に、フットサル仲間らへの聞き取り調査で把握したという。 教頭は「当初の聞き取りでは『ふざけた内容が増えたので閉鎖した』と聞いていた。友人同士のネット上のやりとりは表面化しにくく、フットサル同好会のHPがあったことも、少年が自殺するまで学校は全く知らなかった。 新しいHPは逮捕後の聞き取り調査でわかった」と話している。 9/21朝日 男子生徒の下半身の写真などが掲載されたインターネットサイトは、逮捕された少年を含むフットサル仲間が、男子生徒の自宅で作っていたことが21日分かった。 学校関係者によると、サイトは約2年前、フットサル同好会の情報交換の場として開設。しかし、男子生徒の裸の下半身の写真や、強引に開脚させた様子を撮影した動画を載せるなど、次第に「いじめの場」に悪用されていった。 サイトはメンバーそれぞれの個人ページなどで構成。男子生徒のページは男子生徒自身が作成・更新したように装っていたが、兵庫県警少年捜査課もこのサイトの存在を把握。男子生徒以外のメンバーが嫌がらせのために手を加えた可能性が高いとみて調べている。 共同9/21 男子生徒の下半身の写真などが掲載されたインターネットサイトは、逮捕された少年を含むフットサル仲間が、男子生徒の自宅にあるパソコンで作っていたことが二十一日分かった。また、サイトには男子生徒の実名や住所、メールアドレスも掲載されていたことが判明。 学校関係者によると、発端となったサイトは約二年前、フットサル同好会の情報交換の場として開設。今春閉鎖されたが、フットサル仲間が再び作り直した。その後、男子生徒の裸の下半身の写真や、強引に開脚させた姿を撮影した動画を載せるなど、次第に「いじめの場」に悪用されていった。同校の多くの生徒がこのサイトの存在を知っていた。 サイトは各メンバーの個人ページなどで構成。男子生徒のページは仲間が作っていたが、男子生徒自身が作成・更新したように偽装していた。兵庫県警少年捜査課もこのサイトの存在を把握。サイト上でのいじめや嫌がらせが、男子生徒を自殺に追い込む一因になったとみている。 一方で同校は、自殺後の同級生らに対する聞き取り調査で初めてこのサイトの存在を知ったが、少年が逮捕されるまで、いじめや中傷の場に悪用されていた実態を把握できていなかった。 中国9/21 関係者によると、男子生徒や少年らは昨年、所属するフットサル同好会の情報交換サイトを立ち上げた。しかし、それぞれが中傷し合う書き込みがエスカレートし、男子生徒の下半身を写した写真が掲載されており、男子生徒は知人に「同級生に裏サイトに下半身の写真を流された」と話していた。サイトは今年4月ごろ閉鎖されたという。 男子生徒がよく通っていたという学校近くの店の店員らによると、男子生徒が「今年1月ごろ、罰ゲームで陰毛をそられ、そのときに写真を撮られた」と話していたという。 産経9/20 今回、県警の取り調べを受けている少年の一人が、生徒が服を脱がされる様子の写真や動画が掲載されたHPを作成・管理していた。 事件とは関係のない同級生の保護者によると、HPには当時、生徒が交際していた少女への中傷も書き込まれており、生徒は気に病んでいた。HPが閉鎖された時、「生徒と少女はすごく喜んでいた」という。 朝日9/25-2 高2の秋には、生徒会役員選挙に2人で立候補。演説会で歌をうたったが、落選した。 だが、このころから関係が微妙に変わる。パソコンの知識にたけた、今回逮捕された少年の1人(18)が同好会のHPを開設したことがきっかけだった。「5人の仲良しホムペ」と題して、それぞれが自己紹介のページを持つようにした。これを見た別の生徒から「(生徒と)つるんでいるのか」「気持ちが悪い」などと冷やかされるようになり、次々と個人ページは閉鎖された。だが、生徒のページだけは残された。HPの開設者で、管理もしていた少年が生徒のページを消すことに最後まで応じなかったためという。 ここに、生徒が服を脱がされる写真や中傷の書き込みが投稿されるようになった。逮捕された少年の1人は学校の調査に「激しい内容で、面白くなって参加してしまった」と話したという。 朝日9/26 調べでは、生徒に対する書き込みは、数人から複数回あり、「あいつはうそつきだ」などと名指しで非難していた。生徒は遺書にも「自分の知らないところで、勝手に書き込まれていた」と記していたという。このサイトは生徒が自殺する前に閉鎖されていた。 読売9/19 警察が男子生徒の携帯電話の記録を詳しく調べたところ、生徒の裸がこの携帯電話で撮影され、「裏サイト」と呼ばれるインターネットの掲示板に投稿されていたことが新たにわかりました。 この掲示板は、すでに閉鎖されていますが、裸の写真を投稿すると現金がもらえる仕組みになっていたということです。生徒の写真に対して現金が支払われたことはないということですが、警察は逮捕された少年を含む複数の仲間が無理やり写真を投稿させていた疑いもあるとみて調べています。 NHK9/20 被害生徒と加害生徒らは、高2の夏休み前に運動同好会を作り、間もなく活動やメンバーのプロフィルを紹介するサイトを立ち上げた。今年4月、受験のため同好会を解散。サイトも閉鎖したが、その直後に、今月17日に逮捕された生徒(17)が、被害生徒に関するサイトを代わりに開設することを提案。25日に逮捕された、コンピューターに詳しいもう1人の生徒が開設作業をした。 サイトの名称は「○○(被害生徒の名前)の部屋」。被害生徒の氏名や住所、電話番号やメールアドレスなど個人情報が記されていたという。しかし、被害生徒が知らないうちに、サイトには被害生徒の中傷のほか、現金を要求する匿名の書き込みも相次ぎ、被害生徒の裸の下半身の写真まで掲載された。気付いた被害生徒が約1カ月後、サイトの管理会社に依頼して削除した。 毎日9/27 警察のその後の調べで、逮捕された少年や複数の仲間が作ったとみられるインターネットのホームページに、自殺した生徒が服を脱いだ写真や嫌がらせを受けている様子を撮影した動画が掲載されていたことが生徒の友人の話などからわかりました。このホームページは閲覧した人から「不愉快だ」といった書き込みが寄せられ、すでに閉鎖されています。 また、自殺した生徒のズボンのポケットから見つかったメモには、動画や写真をホームページに勝手に掲載されたという内容の記述もありました。 NHK9/20-2 生徒が服を脱いだ写真や、足を無理やり開かせるなどの嫌がらせを受ける様子の動画がインターネットのホームページ=閉鎖=に掲載されていたことが20日、兵庫県警の調べなどでわかった。同級生らが「借金が返せないのなら、裸の写真でも使って金を稼げ」と命令していたという証言もある。 HPは自殺した生徒自身が作成したように装って作られていた。同級生の命令で生徒が教室で服を脱ぐ写真などが載っていたとされる。閲覧者が投稿できる掲示板もあり、「キモイ」といった書き込みがあった。自殺した生徒は遺書の中で「こんなもの(HP)は自分が作ったものではない。勝手に作られた」などと記し・・・ 県警などに対し、事件とは関係ない複数の同級生らがHPに生徒の動画や写真が掲載されていたと証言。逮捕された少年を含む複数の同級生が「金を払えなければHPで稼げ」と命じて携帯電話で撮影していた、と話したという。 学校もこのHPの存在を把握していた。教頭の説明では約2年前、自殺した生徒や逮捕された少年が所属するフットサル同好会の情報交換の場として開設されたが、次第に中傷するような内容が増え、今春、生徒が閉鎖させたという。朝日9/20夕 インターネットサイトに男子生徒の裸の画像や中傷の書き込みが掲載されていたことが20日、関係者の話で分かった。このサイトは男子生徒の同級生ら数人が開設したとみられ、すでに閉鎖されている。逮捕された少年とは別の同級生の携帯電話にも、男子生徒の裸の動画などがあったという。 男子生徒の遺書には「無理やり撮られた写真を載せられた」という趣旨の内容があり、県警少年捜査課などは、こうした嫌がらせが男子生徒を自殺に追い込んだ可能性もあるとみて、名誉棄損容疑も視野に慎重に捜査している。 時事9/20 男子生徒はズボンのポケットに残した遺書で「写メを無理やり撮られ、載せられた」と触れ、「ホームページがあるが、僕が作ったものではない」と記していた。 HPは閉鎖されているが、同課は男子生徒のメールアドレスなどの個人情報がHPに書き込まれ、学校外からも嫌がらせのメールが相次いでいた可能性もあるとみて、逮捕した同級生の少年(17)に経緯を聴いている。 日経9/21 いじめはエスカレートし、下半身の写真がサイト上に掲載されたのは今春。携帯電話を介して同級生の間に広まった画像を見せられても「いじめられている」とは口にしなかった。「罰ゲームやから」と話し、力なく笑ったという。 中日9/18 男子生徒の下半身の写真を掲載したとされるインターネットのホームページ(HP)は、パソコン操作が得意なメンバーが中心になって作成し、この同級生にも「-大臣」とあだ名があったという。兵庫県警も同様の情報を把握しており、メンバーが役割分担し、男子生徒に嫌がらせをしていたとみて調べている。 産経9/22 ところが、ちょうどこのころ(生徒会選挙後)、18歳の少年が作ったフットサルチームのホームページ(HP)を見た同高生徒たちから、少年らがからかわれるようになった。「あいつ(生徒)とつるんでるのか」「きもいぞ(気持ち悪いぞ)」。このことがきっかけで少年らは生徒を敬遠するようになった。 HPはいったん閉鎖されたが、3年生になった今春、再び開設され、内容は、生徒への中傷に変わっていた。電車内で無理に歌わされる姿を動画で流したり、裸の写真を掲載したり……。ほかの生徒が「面白い、もっとやれ」とけしかけたこともあって、いじめはエスカレートした。読売9/25 (学校の)2回目の調査で、自殺した生徒が服を脱がされる様子などの写真や動画が掲載されたホームページ(HP)を、現金を要求していた同級生の一人が作っていたこともわかった。だれが写真などを投稿したかは不明という。 朝日9/26-2